腰痛にお悩みの方へ
慢性腰痛改善のカギは、全身評価にあり⁉
腰痛でお悩みの方は多くおられます。国民病とも呼ばれ、男性では1位、女性でも肩こりについて2位に挙げられるほど。
ぎっくり腰とは異なり、慢性化した腰痛は常に重だるさがある状態で「腰が痛いのに慣れてしまった」などと言われることもあります。
この半分諦めたような状態の方であっても、しっかりと評価してアプローチすれば改善の光が見えてきます。
そしてこの光をもたらす評価こそオステオパシーの全身評価だと考えています。
一時的なマッサージやストレッチではなく、根本の原因を探し出してこびりついた腰痛とお別れしてみませんか?
オステオパシーの視点と理学療法士の視点
当院では出来る限り早く「原因」にたどり着くため、以下の流れで行っています。
初回来院時には、全身の関節の動きのチェックや姿勢のチェックで得られた運動学・解剖学的な情報と、問診で得られた情報を擦り合わせて腰痛を起こしていると思われる部分を考察します。運動学は理学療法士の得意分野であり、解剖学はオステオパシーの得意分野であります。この両方の視点を持っていることは、当院が他と比べて有意な点です。
加えて毎回の施術前には、オステオパシー独自の検査法である「傾聴」と呼ばれる技術で、全身を包んでいる組織の緊張を感じ取り、その日の施術する部分を決定します。この検査では、関節の動きや姿勢などを診ることでは検出されにくい、より細かな情報を得られることが出来ます。
初回の検査で大まかな方針を決め、それ以降の毎回の検査では身体の声を聴きながら丁寧に施術していくといった感じです。
もちろん検査の結果、腰の関節や筋肉が問題であれば、そこを中心に施術していきますのでご安心ください。
慢性腰痛の原因と対策
腰痛が慢性化する原因を考えた時、以下の三つが特に大切です。
①身体の使い方の問題
慢性腰痛の方は股関節が上手く使えていない人が多く見られます。
具体的に言うと、下のものを拾うときなどにしっかりとお尻を後ろに引き込む動作が観られません。
股関節をしっかりと引き込むことが出来ないと、背中を丸めるような動きをして下の物を拾おうとします。
腰と背骨はお隣同士の関係なので、片方が仕事をサボるともう片方が必要以上に働くようになります。なので股関節が上手く使えない人では、腰の仕事量が増えてパンクするという流れです。
また筋肉に関しても上手く付けうことが出来ていません。
腰痛の無い人では、手や足を動かす前にフィードフォワードといって、自動的に体幹が緊張することで土台を作ってくれます
これが腰痛のある方では、機能が低下しており手足を動かすときに体幹が緩んだままで守られることが無く、刺激が腰に来てしまいます。
理学療法は運動療法を行う職業です。当院では希望があったり、必要と考えられるかたにはセルフエクササイズも指導して、より早い改善を目指します。
②歩き方の問題
一般的に人は一日数千歩程度は歩いていると思います。
多い人だと1万歩以上かもしれません。これだけ回数を繰り返す動作が間違っていたら、身体への負担は大きくなります。
よくあるパターンでいうと、片側が強く後方へ蹴りだすような歩き方をしていると、一歩蹴りだすたびに腰を反っているのと同じことが起こって腰の関節を痛めます。
片側の腰が落ちるような歩き方をしていると、ぎっくり腰との関連が疑われている仙腸関節にずれる力がかかります。
歩き方を変えるだけで腰痛が改善することは、良くある話です。
そして歩きに関して、理学療法士は専売特許の様に得意としています。当院では足底板の知識をもとに指導も行っていますので、施術と併せたより早い改善に向けた助けになっています。
③姿勢の問題
姿勢を考える時、はじめにお伝えしているのが背骨のS字カーブです。
身体の筋肉や靭帯、神経などはこのS字カーブを基本として緊張が適切になるように配置されています。
なので過剰に胸を張ったり、背中を丸めたりしていると筋肉や靭帯や神経の緊張状態が正常ではなくなり、身体に支障をきたします。
猫背はだめだということは良く知られていますが、意外に知られていないのが「胸を張りすぎる」ということです。
猫背の状態では、S字カーブの真ん中にある胸椎はカーブがきつくなっています。反対に胸を張りすぎた状態では、胸椎はピンとまっすぐに伸びてしまっています。
背骨はS字カーブがあることで、バネのように衝撃を吸収する作用が生まれます。
そのカーブを胸を張ることで一つ無くしてしまいます。そうなると、本来なら3つのカーブで吸収する衝撃を腰と首の二か所で負担しなければならず、その部分に大きなストレスが加わることになります。
また高齢者や最近の若年層にも多く見られる、背中全体を丸めた姿勢も問題です。高齢者は加齢による変形が多く、若年層では体幹機能の問題が多いので発生機序は異なりますが、どちらも背面の筋肉などを緊張させ血流を阻害します。阻血状態の筋肉では痛みを生じますので、このように背中の丸い姿勢も腰痛改善のカギとなります。
ただ間違ってはいけないのが、姿勢が悪い人がみんな腰痛に悩まされているわけではないということです。あくまで一つの可能性なので、どれが問題となっているかは詳しくお身体を評価する必要があります。
①身体の使い方の問題
②歩き方の問題
③姿勢の問題
オステオパシーではこう考えます
腰痛で重要な3つの問題はご理解いただけたでしょうか?
一般的に根本解決と言われているのは、このように姿勢や歩き方を変えることをいうようです。
しかし、オステオパシーでの根本解決は、さらにその姿勢や歩き方をしなければならなくさせている力を処理します。
その力を処理するためには、まずどこにどういう力が加わっているのかを知らなければなりません。
それを調べるために、基本的に初回は全身の検査を行っています。さらに毎回の施術も、オステオパシーの傾聴という技術を使って身体の声を聴くことから始めています。
ぼくはこの傾聴の技術こそが、オステオパシーがその他の整体とは大きく異なる点だと考えています。
傾聴では、全身を覆う膜組織などのテンションをたどることで、その時に一番お身体に影響が強いと考えられる部分をあぶりだします。時にはご本人も驚かれるような、思いもよらない部分が出てくることもあります。
ご本人が驚くような部分であるのに、第三者が分かるはずもないので、一般的な整体では見落とされがちなのでしょう。