姿勢が悪いとお悩みの方へ
オステオパシーでは姿勢を「治さない」⁉
オステオパシーでは、上記のタイトルの様に姿勢を「治そう」とはしません。
姿勢が悪いのは根底にそうさせている力があり、身体は仕方なくそのような見た目へと変化しているだけなのです。
ですからオステオパシーでは、「○○筋が弱っている」とか「○○関節が硬い」などということを他の整体ほど重視しません。
そうではなく、身体の奥底で悪さをしている力を見つけ出し、処理することで身体が元あった状態へと自然に戻っていけるようにお手伝いしています。
奥底で悪さをしている力は、残念ながらレントゲンやMRIでは検出できなないため、熟練したオステオパスの手で探し出す必要があります。
当院では施術前には毎回、傾聴と呼ばれるオステオパシー独自の検査技法を使い、どこに悪さをしている力がかかっているのかを調べてから始めています。
その姿勢、本当に悪いの?
ここからは世間で常識とされているいい姿勢について、少し考えていきたいと思います。
ぼくが小さいころには、親や学校の先生から「顎を引いて胸を張れ」なんて指導をされていました。
この記事を読んでくださっている貴方も、一度はそのように指導されたことがあるのではないでしょうか。
そしてこの指導を真面目に聞いていた人ほど、後々に肩こりや腰痛などの不調に悩まされることになるのです。
身体を横から見た時、背骨には3つのカーブがありS字カーブなどと呼ばれています。
このことは健康雑誌や理科室の骨格模型を見てしっている方も多いと思います。
この3つのカーブがある状態こそが自然な背骨の形なのですが、先述した「顎を引いて胸を張った姿勢」では、これらのカーブを消失させる方向へと変化させてしまいます。
ではカーブが失われるとどのような事が起こるのかというと、まず挙げられるのは衝撃を吸収するとこが出来なくなるということです。
最も分かりやすいのは、歩行時の衝撃吸収です。降り出した足が地面に着く瞬間、体重の二倍程度の衝撃が生じるとされています。この衝撃は下肢で吸収されはしますが全ては不可能であり、背骨が上手くたわむことで吸収されるのです。それがカーブが消失してしまった背骨では、衝撃が吸収されず歩くたびに膝や腰、首などへ本来なら加わることのない強さの力が加わり続けるのです。
次の例を挙げますと、神経や筋肉の長さが本来の状態とは異なるようになります。神経や筋肉は、S字カーブがあることが前提に走行しています。それがカーブが無くなることで、本来とは異なった長さに引っ張られたり縮まされたりします。そうなると神経は引っ張られることに弱いため、少しの刺激に反応する様になって痛みを感じやすくなるかもしれませんし、筋肉も無理に引っ張られると血流が悪くなることで凝ったような状態に変化するかもしれません。
他にも、S字カーブが無くなることで起こるマイナスな面はいくつもありますが、文章が長くなりすぎるので割愛させていただきます。
本当に良い姿勢になると何がいいか
S字カーブが無くなって真っ直ぐになった背中から、本来のカーブを取り戻した背中になるとどんな良い事があるかというと…
まずは歩行やランニングなどで繰り返し加わっていた身体各部分への衝撃が激減し、それが原因で痛めていた関節などの痛みは軽減すると考えられます。そして神経や筋肉が本来の長さや位置に戻ることで、それまで感じていたコリや痺れや痛みなども軽減していくでしょう。
また、顎を引いて胸を張った姿勢というのは世界のトップモデルやアスリートには見られません。むしろ胸椎(肩甲骨あたりの高さ)は、後ろにカーブした丸みのある背中をしています。ということは美容面で考えても、S字カーブの回復というのはメリットが大きいと言えます。
エクササイズとの併用
ここまでお読みいただいた貴方は、良い姿勢の概念が少し変わったでしょう。
そして本来のS字カーブを取り戻したいと考えられたのではないでしょうか。
先に述べたようにオステオパシーでは、そういう姿勢を取らなければいけないようにさせる力にアプローチしますので、積極的に姿勢を改善しますとは言えません。
しかし代表は整形外科クリニックに10年以上勤務していた理学療法士でもあるため、ご希望があれば自宅でのエクササイズも指導しています。
内容も筋力を高める運動や、柔軟性を高める運動といったベーシックなものから、上記で説明した本来のS字カーブを獲得するものまで幅広くあります。
それらのエクササイズとオステオパシーによる効果を合わせることで、出来るだけお客様のご希望にお応えできるように努めています。